健康食品やサプリメントについても、有効性・安全性・経済性の3つの指標を用いて選び方をサポートします。
そもそも健康食品・サプリメントとは
実は健康食品・サプリメントという言葉に厳格な定義はありません。
一般に、健康の保持増進に資する食品全般が「健康食品」といわれ、特性成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品が「サプリメント」といわれます。形態が異なるだけで、「サプリメント」も「健康食品」の一部といえます。
また、健康食品(サプリ含む)は、国の許認可の有無によって、「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」「その他の健康食品」の4つに分類することができます。他に「特別用途食品」という分類もありますが、主として一定の病気を有している方が使用する食品のためここでは詳細を省きます。
有効性
健康食品の4つの分類のうち、「特定保健用食品」は、人を対象とした臨床試験により効果が認められた成分を含んでいます。「栄養機能食品」は、科学的根拠を有する栄養成分が定められた量含まれる食品です。そのため、有効性が期待できる健康食品といえます。
一方、「機能性表示食品」「その他の健康食品」は、人を対象とした臨床試験による効果が認めらているわけではありません。そのため、有効性については、「効果があるかもしれないし、ないかもしれない」といえます。
安全性
「特定保健用食品」は人を対象とした臨床試験が実施され、安全性に関して国の審査を経ています。そのため、健康食品の中では比較的安心して使用することができます。
「栄養機能食品」は、表示を許可された成分については、人での安全性が確認されています。しかし、商品に含まれる、「表示を許可された成分」以外の成分についての安全性は不明瞭であり、個別に判断が必要です。
「機能性表示食品」「その他の健康食品」は、人での安全性について国の審査を経ておらず、すべての成分について個別に判断が必要です。
加えて、どの健康食品を選ぶ場合であっても、原材料は少ないほうが望ましいです。なぜなら、どんなに厳しい基準を設けていても、ヒューマンエラーを含む製造過程での誤りはゼロには出来ず、その誤りは、成分が多いほど、製造過程が多いほど起こる可能性が上がるからです。
健康食品の成分には、体に良さそうな、聞き馴染みのある成分が多数含有されている場合があります。しかし、健康食品を摂取しようと思った一番最初の動機を忘れてはいけません。欲張らずに第一目標のみを達成できるような健康食品を選びましょう。
本ブログの別記事で紹介する商品でも、製造過程での誤りが発生しないことを一生保証することは出来ません。そのため、可能であれば、いくつかの商品をローテーションすることをオススメします。そうすれば、いずれかの商品に誤りが生じた場合であっても、偏って摂取するリスクを防ぐことが出来ます。
その他、安全性を確認するうえで参考となる基準に「GMP(Good Manufacturing Practice)」があります。GMPとは日本語で「適正製造規範」とも呼ばれ、健康食品の最終的な完成品のみならず、製造工程においても基準を設けて品質を保つための基準です。このGMP基準に適合した商品は、ある程度の安全性が担保されています。
また、過去に発生した危害情報についても把握しておき、それらの健康食品は最初から使用しないようにしましょう。
経済性
安全性の担保された同成分内商品で価格を比較し、より安価なものを選択します。
商品購入前に見るべきサイト
健康食品を選ぶうえで、参考になるサイトをいくつか紹介します。
消費者庁ホームページ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/health_food
健康食品の調べ方や注意点などについてまとめられています。
医薬基盤・健康・栄養研究所
https://hfnet.nibiohn.go.jp/specialists/
国立研究開発法人の運営するサイト。有効性や安全性に関する情報などが掲載されています。
食品安全委員会(内閣府)
https://www.fsc.go.jp/kigai_jyoho/
過去に報告あった健康食品による危害情報が閲覧できます。
厚生労働省(令和6年4月より消費者庁へ管轄移行)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
健康食品の分類・法令・健康被害等に関する情報が掲載されています。
上記サイトはいずれも行政(または行政に近しい組織)により運営されており、信頼性の高い情報を取得することができます。
まとめ
このブログでは、
有効性=人での臨床試験結果や国の審査の有無で判断
安全性=製造過程の品質担保の有無(GMPの有無)や危害情報の有無で判断
経済性=同成分商品の価格を比較
この3つの基準を用いて、さまざまな健康食品・サプリメントの選び方をお伝えしていきます。
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